IWCとメルセデスAMGは、現代の時計業界において最も有名なパートナーシップといえる。2004年に提携して以来、このタッグは数々の素晴らしい時計を生み出してきたが、中でもIWCファンの心を揺さぶるのは、このパイロット・ウォッチ・クロノグラフ 「AMG」だろう。
このモデルは、43mmのパイロット・ウォッチ・クロノグラフとしては初めて、コラムホイール式自社製キャリバー69385を搭載しているが、それだけではない。パイロット・ウォッチ・クロノグラフのケースとしては、初めてチタンを採用している。
さらに、文字盤にはカーボンファイバーを使用。もしF1マシンの素材構成に似ていると思ったなら、それはこのレベルのモータースポーツでは、ほとんどすべてのパーツにチタンとカーボンファイバーが用いられるからである。昨年、F1ドライバーであるグロージャンの命を救った、チタンをカーボンファイバーで包んだT字型の安全ケージ「ハロ」にも、同じ素材が使われている。
過去のIWCとメルセデスとのAMGウォッチを振り返る
自動車や飛行機やほかの機械に関しては、エトスや魂を時計に反映させるのは難しい。文字盤のロゴやギミックが過剰で鼻につくデザインになってしまうことがある。
しかしIWCは、メルセデス社内のチューニングとモータースポーツ部門であるAMGに敬意を表し、この時計に関しては常に慎重を期しているようだ。ケースバックにAMGのブランドロゴを配しし、クルマのイメージを質感や素材を随所で表現している。
ここでは、これまでのIWCとメルセデスによるコラボレーションの一部をご紹介する。カーボンファイバーやセラミックといった先進素材はこれまでにも使用されてきたが、このパイロット・ウォッチ・クロノグラフ 「AMG」のように、43mmのチタン製ケースと組み合わされたことはなかった。